お墓参りで見かける六地蔵。6体並んでいる意味とは?
六地蔵とは、お地蔵さまが6体並んで祀られている像を指します。
お墓参りに行くと、墓地の入り口でよく六地蔵を見かけるのではないでしょうか?
お地蔵さまは、いつも優しいまなざしで私たちを見ていらっしゃるので、お会いするとなんとなくホッと癒されますよね。
今回は、お墓でよく見かける六地蔵とはどんなお地蔵さまで、なぜ6体並んでいるのか、その意味を解説します。
生死観について考えるきっかけになりますよう、最後までご覧ください。
お地蔵さまとは?
お地蔵さまの正式名称は地蔵菩薩と呼び、インドの古典語のサンスクリット語でクシティ(大地)ガルバ(胎内)と言われていたものが、地蔵となりました。
地蔵菩薩は、苦しんでいる者の身代わりとなって地獄の苦しみから救い、死者が生まれ変わる6つの世界をめぐって救済したと言われています。
お地蔵さまは、道端でよくお見掛けするほど私たちの生活の身近な存在ですが、お釈迦様が入滅された後、仏に変わって人を救う尊い存在でした。
6体並んでいる六地蔵の意味
お墓に並んでいる六地蔵は、死後の世界へ旅立つ死者を苦しみから救うために、姿を変えたと言われています。
仏教では、人間が死んだ後、生前の善行や悪行によって行く道が6つに分かれていました。
六地蔵の6体は、仏教でいう六道の六を指しており、重要な意味を持ちます。
その6つの道は次の通りです。
- 地獄道:もっとも苦しみの激しい世界
- 餓鬼道:飢えと渇きに苦しむ世界
- 畜生道:弱肉強食の畜生の世界
- 修羅道;争いやけんかが絶えない世界
- 人間道:人間が住む世界で、輪廻を避けられる可能性がある
- 天道:悩みや苦労がない世界でも極楽浄土ではない
六地蔵の種類と役割
六地蔵とは、諸説ありますが、六道に行って苦しんでいる死者を救うために姿を変えました。
6体のそれぞれの種類と役割は次の通りです。
- 檀陀(だんだ)地蔵:地獄道を救う
- 宝珠(ほういん)地蔵:畜生道を救う
- 宝印(ほうじゅ)地蔵:餓鬼道を救う
- 持地(じじ)地蔵:修羅道を救う
- 除蓋障(じょがいしょう)地蔵:人間道を救う
- 日光(にっこう)地蔵:天道を救う
それぞれのお地蔵さまに意味があり、お顔も一体ずつ違うので見比べてみると、面白いかもしれませんね。
まとめ:六地蔵は私たちを見守る存在
六地蔵は、地獄の苦しみから救い、死者が生まれ変わる6つの世界をめぐって救済する尊い存在です。
墓地の入り口でよく見かける理由は、この世とあの世の境界にお地蔵さまを置き、神聖なお墓に魔が侵入するのを防ぐためと言われています。
私たちも、死後どこの世界に行くのか、生前の行いによって決まるので、日頃の行いが大切ですね。
お墓参りでお見掛けした際に、ご先祖様や私たちをいつも見守ってくださる六地蔵に、感謝の気持ちで合掌してみてはいかがでしょうか。