石安が大切にしている、お墓づくりの考え方

1.大切なご先祖様の仕事である

なぜお墓を建てるのか?

とても基本的な疑問ですが、お墓を建てる上で最も大切な事です。

「お墓を建てる」という行為は、ご先祖様や故人様を供養したいという心あっての事だと感じます。

そのためお墓を建てる理由としては、目には見えないご先祖様や故人様を敬い、感謝する気持ちを表すために建てるという方が多いのではないでしょうか。

  • お世話になった故人様のため
  • 今、生きていられるのはご先祖様のおかげ
  • 亡くなった方のためにできる、最後のこと

こうした心に仏教の教えが加わり、遺骨を安置する場所。お骨を土に還す場所。としてお墓はあるのだと考えています。

先代の教え

「人と人とはつながっている」という事が先代の教えとして石安に残っています。

ご先祖様から、生きている私達までつながっている。私達とお客様も何かのご縁。

日常が続くと忘れてしまいそうではありますが、人と人はつながっている、ご縁を頂いているという感謝の気持ちを大切に、日々の仕事に励みます。

皆様にとって大切なご先祖様、故人様の仕事

このような教えがあり、私たちはお墓はただの石ではなく、ご先祖様や故人様を想う皆様の気持ちを表したものと考えています。

皆様にとって大切なご先祖様、故人様の仕事ですので、私達も責任を持って気持ちを込めてお墓をつくらせて頂きます。

2.お客様が納得できる

お墓づくりで迷うこと

お墓づくりという事は初めてで何も分からないという方が、非常に多いです。

何も分からない状態から初めて、気持ちよく良いお墓が作れるのか不安になる方も多いのではないでしょうか。

当店では、ただお墓を建てるだけではなく、お客様が納得できるという事を大切にしています。

お墓と言っても様々なものがあり、特に以下の3点で迷われる方が多くいらっしゃいます。

  • お墓の形
  • 石材の種類
  • 依頼する石材店

この3点について、ご紹介させて頂きます。

2-1.お墓の形

お墓は大きく分けて以下の3種類があります。

  • 和型
  • 洋型
  • デザイン型

詳しくは、【お墓の形を決める上で重要な3つの事と代表的な3種類】をご覧ください。

当店の地域では、和型が根強い人気です。

ただ和型と言っても、水鉢の形が違ったり、線香やロウソクを立てる所の形が違ったりします。

細かく言えば石材店が違うと、同じ「和型8寸名古屋型」と呼ばれる石碑でも、形が少しずつ違います。

2-2.石材の種類

お墓に使われる石は数100種類もあり、この中から選ぶと言ってもなかなか決めきれないです。

実際に当店でお墓を建てられる方には、石材を選ぶ際に以下の4点を重視される方が多いです。

  • 値段
  • 見た目
  • 産地
  • 品質

それぞれについて、大まかに決めて頂きましたら、数ある石材の中から当店としてオススメできるものをお伝えさせて頂きます。

ご希望の石材が無ければ、さらにご意見を伺います。例えば同じ石を使って値段を下げたい場合は、お墓を少し小さくして値段を下げるなど、ご提案させて頂いております。

詳しくは【石材の基礎知識】をご覧ください。

2-3.依頼する石材店

多くのお客様にとって、どの石材店に依頼すれば良いのかという事は、大きなポイントだと思います。

1番分かりやすいのは、値段の差です。

しかし石材店によるお墓の品質の差というのは、完成した後では見えない所にいくつもあるため、お客様にとっては非常に分かりにくいと思います。

色々な石材店がありますので、実際に色々見て頂くと、お客様に合う石材店、合わない石材店があると思います。

もちろん値段も大事だと思いますので、とにかく納得できるよう色々見て回って決めて頂くのが1番良いと思います。

詳しくは【石材店の選び方】をご覧ください。

メリットだけでなくデメリットもお伝えする

特に石材についてですが、石の種類によって品質の良い悪いがあります。

一概に高い石は品質が良く、安い石は品質が悪いわけではありません。安くても、品質の良い石はあります。

ただし、あまりに安いものには品質の悪い石もありますし、安くて品質は良いけど石の目が粗くてあまり好まれないなど、石によって様々です。

メリットだけでなく、お客様が気づかれないようなデメリットまでお伝えすることで、納得して選んで頂けるのではないかと考えています。

なんでも聞きやすいお店を目指しています

わたしが石材店ではなかったとしたら、お墓の事は誰に聞けば良いのか分からないでしょうし、お墓をいつ作れば良いのか分からないと思います。

また日頃から石材店やお寺様に接する機会も無いと思いますので、なかなかお墓の事は聞きづらい気がします。

お客様もこれと同じように、お墓の事は分からない事だらけなのではないかと感じています。
そのため当店は、なんでも聞きやすい店を目指しています。

お客様には、石材店の合う合わないがあると思いますので無理を言ってはいけないと思っています。
なので問い合わせを頂いたからと言って、こちらから何度も営業することは致しません。

もし、少し利用してみて、気に入って納得して頂ければ仕事をさせてもらえるとありがたいです。

まずはお気軽にご相談頂けますと幸いです。

3.自分たちが納得できるための”こだわり”

自信を持って送り出せるお墓を

当店では自分たちでお墓について考え、自信を持って送り出せることを大切にしています。

特に以下の7点については、それぞれが数ある選択肢の中から自分たちが1番良いと思うものを選んでいます。

  • 「国産」墓石
  • 地震対策
  • 納骨室
  • 文字彫刻
  • 草の生えにくい土
  • 外柵に使う石
  • 価格と品質のバランス

これって大丈夫なのかな?このやり方でいいのかな?と思って作るものと、これで大丈夫と自信を持って作るものとでは気持ちの入り方が違います。

気持ちの入り方が違うと細かな所に差が出てくると思います。

私達は自信を持ってお客様に安心して頂ける品質のお墓をお届けしたいと考えています。

ただし過剰に強度を上げたり、費用割にほとんど効果が無いような方法は基本的には採用致しません。

世代を超えて残るお墓だからこそ、適正価格でありながらも高品質なお墓をつくりたいと考えています。

3-1.「国産」墓石について

「国産」墓石というと、日本の石を日本で加工した墓石だと思いませんか?

しかし実際にはあまり知られていませんが、日本の石であっても中国で加工されることがほとんどです。

その主な理由は以下の2点です。

  • たとえ中国で加工しても日本の石であれば「国産」と表記できること
  • 加工の費用が安いこと

もちろん中国にも腕の良い職人はおり、一概に中国加工がダメという訳ではありませんし、高品質を保てるようにしている工場もあります。

しかし中国の石材工場を実際に見学に行ったり、中国の石材工場にに3年滞在された方や、毎月2週間ずつ中国へ行き実際に加工を教えていた職人さんからの話を聞き、「日本の石は日本で加工したい」という思いが強いです。

日本の石を使用したお墓については、普通は産地保証書が発行されます。詳しくは【お墓の品質保証】をご覧ください。

3-2.地震対策について

熊本震災や東日本震災では、多くのお墓が倒れてしまいました。しかし一方で、倒れなかったお墓もありました。

この違いは、地震対策の方法が違っていたためです。お墓の地震対策方法は少なくとも18種類もあり、大地震でも有効な方法は、ほんの一握りです。

石安は数ある地震対策方法から、「東日本大震災で被害最小」の施工法を選び抜き、適用しています。

詳しくは【安心の地震対策施工】をご覧ください。

3-3.納骨室について

石安では一般的な和型2段のお墓の場合に大きな1枚石の納骨室を設置します。

納骨室はコンクリートやブロックで作るよりも、墓石本体の安定が良くなります。

更にコンクリートやブロックよりも水が浸入しにくいため、湿気がたまりにくく、お骨がベタベタになりにくいです。

お墓の石材店によっては、4枚の薄い石を張り合わせて納骨室をつくる場合や、コンクリートで納骨室をつくる場合がありますが、当店では1枚石にこだわって納骨室をつくっています。
noukotsushitsu

(洋型や和型8寸3段など、お骨を地表より上に納める場合、1枚石の納骨室は必要の無い場合があります。)

3-4.文字彫刻について

当店は先代より引き継ぐ、独自の「南無阿彌陀仏」の文字を彫刻しております。

彫刻する際には、筆の流れや筆圧を表現します。筆圧の強い所を深く、弱い所を浅く彫ることで、まるで筆が石の上を通ったかのように見えます。

一文字、一文字を丁寧に彫ることを心がけ、お墓に文字を刻みます。
詳しくは、【文字彫刻へのこだわり】をご覧ください。

3-5.草の生えにくい土について

お墓で草を生えないようにするのは、どのようにすれば良いでしょうか?1番簡単なのは、お墓の敷地内すべてにコンクリートを施工することです。

しかし石碑の周りには、お墓に眠っている方が「呼吸」できるように、豊かな自然の土を使うと良いと古くからの言われがあります。土を使うと、どうしても草は生えてしまいます。

そこで「お墓にコンクリートは施工したくないけど、草の生えにくい方法があると良いな・・・」というお客様の声から生まれた商品が、防草土です。

草の生えにくい土の上に那智石を敷き、仕上げます。これが当店の標準の施工方法です。
草の生えにくい土

ただ敷地内すべてにコンクリートを打つ業者様もいらっしゃいますし、お墓に対する考え方の問題ですので、どちらが良い悪いというのではなく、石材店ごとの考え方やお客様のお気持ちが大事かと思います。

3-6.外柵に使う石について

墓地を見ていると「G623」と呼ばれる中国の石が枠石によく使われるようになりました。

ピンクがかった粗目の石で石の特性が悪くなく、みかげ石の中でも最も安価な部類の石であることから利用されております。

しかし当店は「G623」をあまり使用しておりません。なぜなら当店ではグレー系で石目の細かい墓石を選ばれることがほとんどなので、他の石の方がより適しているからです。

当店は墓石本体の色や目の粗さに合わせて枠石を選ぶことを大切にしております。

枠石の石材については、一般のお客様はほとんど気づかれない点ではありますが、こだわりを持って選んでいます。
外柵に使う石によってお墓全体の雰囲気が変わる

3-7.価格と品質のバランス

お墓の価格と品質のバランスは、石材店によって考え方が全く違うため、石材店ごとの個性が出ます。

  • ①価格は気にせずとにかく丈夫に作りたい石材店
  • ②価格と品質のバランスをとりたい石材店
  • ③とにかく安価に作りたい石材店

大きく分けると、この3つではないでしょうか。

当店では免震材による「東日本震災で被害ゼロ」の施工法を採用しております。それに加えて、基礎コンクリート工事からきちんとしたり、オリジナルで1枚石の納骨室を採用したりして強度を高めています。

実は当店でも「強度を高めるためにどこまでやるか?」という事については何年も悩みました。できるだけ強いお墓を作りたい。でも価格とのバランスも大切にしたい。こう考えていました。

今採用している施工法に加えて、さらに強度を出すためには以下のような方法が考えられます。

  • 石材に凹凸をつけて、はめ込み加工をする
  • 石碑の中心にステンレスの棒を通す
  • 基礎コンクリートを必要以上に厚くする

これらを採用するかどうか、非常に悩みました。なぜならやればやるだけ強度はどんどん上がりますが、お墓の価格がどんどん高くなってしまいます。

まず1つ目の「石材に凹凸をつけて、はめ込み加工をする」ことは、その程度にもよりますが免震材に比べて費用が掛かる事も多く、凹凸加工だけでは不十分でお墓が地震で倒れてしまっています。

そのため今現在の施工法である免震材を用いた工法に比べて、凹凸を付けたはめ込み加工は費用と効果のバランスは悪いと結論付けました。

費用の掛かる割に、たいしてお墓は強くならない(少しは強度があがる)と考えています。

次に2つ目の「石碑の中心にステンレスの棒を通す」事については、費用はそれほどかかりません。

しかし東日本震災の実績として、ステンレス棒を通したことにより、お墓が1番上から下までつながったまま倒れてしまったケースもあり、かえって被害が大きくなることもありました。

そのため、ステンレス棒については、採用していません。

3つ目の「基礎コンクリートを必要以上に厚くする」については、コンクリートが厚いほどお墓の強度は上がりますが、厚みを増やせば増やすほど費用が掛かります。

そのため現在では建築基準法を参考として、お墓の重量から導き出されると基礎コンクリートの適切な厚みを施工しています。

地盤が弱いと判断した場合には、くい打ちなどをして補強をしています。

以上のように、お金を掛ければかけるほど強度を上げることはできますが、当店では価格とのバランスを大事にしております。

工事の内容については、当店がこれまで検討を重ねた上でのオススメをお伝えさせて頂き、お客様とご相談の上で決めることとしています。

高品質で安心できるお墓を

石安は「地震に強く、長持ちするお墓」を作りたいと考えています。

ご予算を抑えたとしても、小規模な地震等ですぐに傾いたり石材がずれてしまうことはありません。

長く修理する必要のない、地震でも簡単には倒れないお墓を、お客様に自信を持って提供したいと考えています。

4.古くからの教えを理解する

お墓と仏教

古来より伝わる仏教と、お墓は深く関わっております。

ただし近年では仏教への信仰心が薄れ、あまり気にされないように変化してきています。

当店は、本来お墓は仏教に深く結びついていることを忘れないよう、仏教の教えを学び大切にしております。

観音堂と写経

当店では、お墓の仕事をさせて頂いているということもあり、工場敷地内に観音堂を設け神仏をお奉りさせて頂いています。

観音堂には写経のスペースを設けております。

写経とは、その漢字の通りお経を写すことです。お墓の中に写経を納めると良い供養になると言われます。ご興味のある方はぜひご利用ください。

詳しくは、【観音堂と写経】をご覧ください。

5.「建てて終わり」にしない

10年つづく定期点検

お墓は石材店が建てて終わりになってしまうことがほとんどですが、当店では2年に1度、お墓の定期点検をさせて頂いております。

当店は、お墓も車の車検や家の定期点検と同じように、定期的なメンテナンスが必要と考えており、新しく建てたお墓は無料で点検させて頂きます。

お墓は建てた後からの掃除の仕方やメンテナンスで、長持ちするかしないかが変わります。

また他にも単純に、当店にご縁を頂いたお客様とは建てて終わりではなく、長いお付き合いをさせて頂きたいという想いがあります。

お客様と一緒になって建てた後も良いお墓づくりができることを願っています。

詳しくは【安心3.10年続く掃除とアルバム】をご覧下さい。