庵治石の価格や特徴。世界一高価な最高級墓石材について

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庵治石の価格や特徴。世界一高価な最高級墓石材について
最高級の石でお墓を建てたいけど、お墓のことはよく分からないから、きちんと知識をつけておきたいとお考えの方へ。

今回は世界一高価な最高級石材である「庵治石(あじいし)」についてご紹介させて頂きます。

当店では高級な日本の石をお探しの方から以下のような質問をよく頂きます。

  • 墓石材で値段が1番高い石って、どんなもの?
  • 何が良いのか?
  • どこで採れるの?
  • 価格はどれくらい?
  • なぜそんなに高価なのか?
  • 建てるのにどれくらい期間が必要?

常にこだわって良い物、最上の物をお求めの方や、とにかく最高の物を残したい方を含め、様々な著名人や実業家の方に選ばれている「庵治石(あじいし)」。

美しく丈夫な庵治石は、百年以上前に彫刻された文字であっても形が崩れることがありませんし、磨かれた表面は艶もちが非常に良いです。

そんな庵治石の魅力を少しでもお届けできればと思います。

こちらのページでは庵治石の石の詳細な性質をご説明しております。庵治石について調べ始めたばかりの方は、まずは【著名人に愛される「庵治石」】をご覧ください。


庵治石(あじいし)とは

庵治石の特徴

庵治石(あじいし)とは御影石の一種であり、グレー系の色目の石です。御影石のダイヤモンドと呼ばれ、世界一高価な最高級墓石材として広く知られています。

庵治石の最大の特徴は、石の表面に「斑(ふ)が浮く」と呼ばれる現象が起きることです。

庵治石は黒い雲母と呼ばれる成分が入り混じったまだら模様です。磨けば磨くほどに「斑(ふ)」の濃淡が浮き出てきます。

そして平坦なはずの石の表面が、「斑(ふ)」によって奥行きを感じさせる二重のかすり模様のように見えます。

庵治石の産地では古くから、その模様の事を「屋島から舞い落ちる桜の花びら」や「高い山々にかすみたなびく雲」に例えられ、縁起物としても珍重されてきました。

こちらの写真で、かすれたように色の濃くなっている美しい模様が「斑(ふ)」です。良質な庵治石では、このように「斑(ふ)」のきれいなかすれ模様がはっきりと確認できます。
庵治石細目 最上級

庵治石の種類

庵治石は、目の細かさによって大まかに3種類に分類されます。

  • 細目(こまめ)
  • 中細目(ちゅうこまめ)
  • 中目(ちゅうめ)

庵治石の3種類

このうち、細目が最高級とされております。ただし細目といっても、庵治石を採る場所が違うと色や斑の具合が異なるために、同じ細目でも庵治石の状態によって価格が異なります。

中目は、細目よりも石の目が粗く白色が強いです。細目と同じく斑がありますが、細目に比べると色が薄いです。

中細目は、細目と中目のちょうど中間くらいの石です。

庵治石には数多くの等級・種類があり、黒色の強い庵治石は「黒口」、白色の強い庵治石は「白口」と呼ばれることがあります。

ただし同じ庵治石でも、等級によってはきれいに「斑(ふ)」がでないものもあります。


庵治石(あじいし)の採石場所

庵治石は、香川県高松市の庵治・牟礼地方で産出されます。

四国八十八箇所霊場のひとつ八十五番霊場「八栗寺」のある霊峰・五剣山のふもとが庵治石の採石場です。

庵治石を採っている採石場は「丁場(ちょうば)」と呼ばれます。同じ山ですが丁場(ちょうば)の数は、今は稼働していない所も含めると約50箇所もあります。

それぞれの丁場(ちょうば)で採れる石の目の細かさや色、「斑(ふ)」の具合が異なり、等級や価格が異なります。

庵治石の中でも最上級とされる石は、その中でもほんの一握りです。

丁場の数以上に庵治石の種類がありますので、その「目利き」は困難を極めます。

すべての庵治石の「目利き」ができるのは、常日頃から庵治石に触れている現地の熟練した職人さんのみであるため、日本の中でも数えるほどしか存在しません。


なぜ庵治石は世界一高価なのか?

庵治石が高価である理由は、耐久性があり丈夫で美しい見た目であることはもちろんですが、なにより希少価値が高いからです。

採れる石のうち、製品になるのは数%

庵治石は、採っても採っても墓石に使える石が出ないということが良くあります。

この理由は庵治石に傷が多いためです。大きな傷であれば、石を採って加工する前に分かりますが、小さな傷は分かりません。
庵治石の原石

写真は採れたての原石です。この状態では傷が全く無いように見えます。しかし実際に加工し磨いてみると、小さな小さな傷があって製品にならない事も多くあります。

それに加え、庵治石は色合わせが難しいです。色あわせとは、その名の通り墓石全体で色を合わせることです。

花立や香炉も含め、墓石一式で色を合わせていきます。庵治石の場合は、色だけでなく「斑」の具合も合わせていきますので、これが大変な作業です。

工程を進めるごとに選別されていき、選りすぐりの庵治石だけが残ります。最終的に製品になるのは、わずか数%です。

大きなものほど高価

先にも述べましたとおり、庵治石は傷が多い石です。

そのため大きい製品ほど傷も出やすいので、材料の効率はとても悪くなります。

大きい製品ほど手間も期間もかかるので、値段も高くなります。

ただし、こうして出来上がった大きな極上の庵治石製品は、見る人を圧倒する魅力があります。


庵治石の価格はどれ程か?

当店周辺では和型8寸2段のものが良く出ますので、これを基準にお話します。

庵治石はその種類を細かく分けると200~300種類あると言われていますが、その中でも最高品質の庵治石は300万円~400万円程度です。

庵治石の一番安価なものですと工事費込みで100万円代の物もありますが、安価な庵治石ですと斑があまり分からず、どうしても庵治石の良さが薄くなってしまいます。

そのため庵治石で建立されるのであれば、値段は高くなってしいますが、庵治石の良さが1番よく分かる最高品質のものをオススメしております。

こちらの大名墓は、高さが4mほどあり見上げるほどの大きさで、さすがに圧巻のお墓です。現在は石安の協力会社様に保管されています。
庵治石の大名墓



庵治石の加工について

庵治石は、庵治石のことを良く知っている採石元の近くの工場で加工されます。
庵治石の加工

磨けば磨くほど艶が出て斑が浮いてくる庵治石は、鍛えられた職人の手によって生み出されます。

磨きの具合によっては、せっかく原石が極上のものであっても、その良さが生きてきません。

近年では、庵治石を中国に輸出して加工するケースがあります。

中国にも腕の良い職人はおり、一概に中国の加工の全てが良くないとは言えませんが、色合わせや斑の具合を合わせる技術があるかどうかについては、疑問が残ります。

当店が庵治石の加工をお願いしている業者様は、コンクールで賞を取るほど腕があり、絶対の信頼を置いています。


当店での庵治石の取り扱いについて

建てて1年で変色してしまう「庵治石」がある

庵治石は石としての品質が非常に良いのですが、中にはすぐに変色してしまうものがあります。

お墓を建てた直後はキレイなのですが、このように色が変わってしまうものがあります。

変色した「庵治石」

この原因としては大きく2つあります。まず1つ目はたとえ庵治石であっても庵治石の採石場は約30もあるため採る場所が違うと品質が違ってしまいます。

2つ目の理由は、庵治石を加工しているときに以下の写真のようなキズが出ることがあります。庵治石を専門としている加工工場であれば気付くのですが、そうでない加工工場も多くあり、キズに気付かずに製品にしてしまうことがあります。

キズのある「庵治石」

そのため同じ庵治石でも「どこで採るのか」「誰が加工するのか」によって品質が大きく左右されるため、良質な庵治石の墓石を手に入れるのは非常に難しいです。

仕入れルートの確立に5年

当店が自信を持ってオススメできる最上級の庵治石。

これを提供するための仕入れルートを確立するのには5年掛かりました。

それは庵治石は種類が50以上あり、その中でどれが1番良いのか分からなかったためです。

庵治石を仕入れるためには、現地の業者さんから直接仕入れる方法や、大手石材商社を通して仕入れる方法など様々なルートがあります。

そしてどの業者さんも、自分のところの庵治石が最上だとおっしゃられるので、本当によく分かりませんでした。

最上級の庵治石を仕入れるためにはどうすれば良いのかを考えながら、現地へ何度も行き、話を聞くことを続けました。

良い庵治石を探し始めて5年が経った頃にようやく庵治石の事が分かるようになり、素晴らしい職人さんに出会うことができ、納得のいく庵治石を仕入れる事ができるようになりました。

保証について

当店では、最高品質の庵治石については錆びによる変色と傷に関する永年保証をしております。

錆びによる変色とは、鉄が錆びるように石の表面に赤茶色が出てきて変色する事です。

庵治石は、基本的に錆びによる変色があり得ます。

しかし最高品質の庵治石については錆びは出ませんが、ごくまれに出る場合があります。そのような場合には、直ちに取り替えさせて頂きます。

また加工した時点で小さな傷まで完全に取り除いておりますが、石の内部に傷があり加工した時点で見つけられない場合もあります。

このような場合におきましても、直ちに取り替えさせて頂きます。

最高の物を安心してお求め頂けるよう、当店では永年保証をしています。

対応エリアについて

全国どこでもご対応致します。

庵治石は非常に難しい石であるため、最上級の石でお墓をつくるためには、原石の採取から加工など全ての工程で、庵治石に熟練した職人が携わる必要があります。

当店も、庵治石を取り扱い始めた当初から最上級の石を仕入れられたわけではありません。

現地に何度も足を運び、山を見て、加工場へ伺いようやく確立した仕入れルートです。

当店は最上級の庵治石を仕入れること、そして最上級の加工方法に自信があります。

そのため通常は東海3県を中心に工事をさせて頂いておりますが、本当に良い物をお求めの方が、本当に良い物を手にして頂けるよう、全国どこでもご対応致します。

特に首都圏の場合ですと、岐阜県からの出張費を差し引いても、当店の方が安価であった実績があります。

ぜひお気軽にお声かけ下さい。


庵治石でお墓を作る場合に必要な期間

庵治石以外の製品ですと、当店では基本的に3ヶ月の余裕を見て頂いております。

しかし庵治石は製品にするまでの効率が良くないので、1ヶ月程余分に時間が掛かります。

そのため当店周辺のお墓に多い和型8寸2段のお墓でしたら、4ヶ月の期間を見て頂きたいです。

大きなサイズのものですと、採石場の状況により半年以上掛かる場合がありますので、お気軽にお問合せください。


おわりに

最後まで長文にお付き合い頂きありがとうございました。

庵治石のお墓をご検討されている方にとって、少しでもお役に立てればと思い記事を書きました。

庵治石は、常にこだわって良い物、最上の物をお求めの方や、とにかく最高の物を残したい方を含め、様々な著名人や実業家の方に選ばれています。

詳しくは【著名人に愛される「庵治石」】をご覧ください。

しかし、とても難しい石ですので、出来ればきちんと情報を集めじっくりと考えていただきたいと思います。

分かりにくい点や、ご不明な点があれば、お気軽にご連絡下さい。どうぞよろしくお願い致します。

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庵治石の価格や特徴。世界一高価な最高級墓石材について” に対して14件のコメントがあります。

  1. 武知眞一 より:

    はじめまして、当方広島県呉市に在住している者です。
    45年位前に建立した庵治石(高級品との評価を得ています。)の墓を
    処分予定ですが墓石の買い取りは行っていないのでしょうか。

    1. ishiyas より:

      >武知眞一様
      はじめまして、石安の高木と申します。
      コメント頂きありがとうございます。
      庵治石買取りの件ですが、大変申し訳ありませんが当店では墓石の買取を致しておりません。

      そこで、関連する他業者様何件かに、墓石の買取をしている業者様を知らないかと問い合せ致しました。
      しかし、買取をしている業者は見つかりませんでした。

      ただ、問い合せをする中で、以前に買取をしていた業者様の話を伺うことができました。
      最高級の庵治石を廃棄するのはもったいないという事で、再利用を試みていたようです。

      文字を彫刻してある石については交換し、文字を彫刻していないものについては磨き直すといった具合です。
      うまくいけば新品同様になりそうですが、実際は古い石を磨いたものと新しく採ったものでは、色が合わず製品として不完全だったようです。
      そのためその業者様も、今では買取をしていないようです。

      自分が武知様と同じ立場でしたら、庵治石は最高級の石ですし、廃棄処分するのはもったいないなという気持ちになると思います。
      しかし現状では、庵治石の再利用につきましては当店ではお力になれません。
      ご期待に応えられず大変申し訳ありません。

      どうぞよろしくお願いいたします。

    2. 田村 より:

      今こちらのコメントを拝見しました。勿体ないので、もしよろしければ私が引き取り再利用させていただくことなど可能でしょうか?墓石ではなくかわいらしいお地蔵さまなどに加工するなど。

      1. ishiyas より:

        田村様

        ご返事遅れてしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます。
        当方から武知様に教えて頂いているメールアドレスへご連絡させて頂きます。その際に、再利用についての件をお伝えさせて頂きます。
        連絡がつかない事も十分考えられますので、その際はご了承いただけますと幸いです。

        もしご返事が頂けましたら、改めてご連絡差し上げます。よろしくお願いいたします。

        石安 高木

      2. ishiyas より:

        武知様よりご返事を頂き、メールさせて頂きました。ご確認をよろしくお願いいたします。

  2. 山口 より:

    同じく呉市に住んでいます山口といいます。
    庵治石興味あります。
    業者ではなくまったくの個人ですが、まだお有りでしたら興味あります。
    よければ返事もらえれば嬉しいです。

    1. ishiyas より:

      山口様

      コメントありがとうございます。
      先にご連絡を頂いている田村様と同様に、ご興味をお持ちの事について、武知様へご連絡させて頂きます。
      もしご返事を頂けましたら、改めてご連絡差し上げます。

      もし墓石としての再利用をご検討されているのでありましたら、以下の点にご注意ください。
      ・彫刻が施されている石については、交換もしくは加工のし直しが必要な事
      ・庵治石は新しい石であっても色合わせが難しい事
      ・上記の事を、請け負う石屋がいるかどうか不明な事

      当店では墓石であっても、墓石でなくとも再利用は基本的にオススメできず、お受けすることができません。
      せっかくのお申し出にも関わらず、否定的なコメントになってしまい大変申し訳ありません。どうぞよろしくお願いいたします。

      石安 高木

    2. ishiyas より:

      武知様よりご返事を頂き、メールさせて頂きました。ご確認をよろしくお願いいたします。

  3. 藤田 智之 より:

    初めまして。
    大阪に住んでいる藤田と申します。
    今度祖父の墓を新調する予定があるのですが、その墓を庵治石でと考えています。
    予算がろうそく立て等全て含んで200万円から300万円でと考えています。
    この予算だとどの程度のクラスの庵治石で墓を新調できるのでしょうか。
    また、庵治石は偽物が多いということを耳にしました。
    石安さんでお願いしたいところですが、大阪に住んでいますので、それは難しいと思いますので、
    大阪で信頼でき、かつ本物の庵治石を扱っている業者さんをご存知なら教えていただきたいです。
    長文失礼しました。
    お返事お待ちしております。

    1. ishiyas より:

      >藤田 智之様
      コメントありがとうございます。
      実はちょうど当店では、これまでに遠方からのお問い合わせも頂いているため、ご対応させて頂ける地域を広げようかと検討していた所です。

      もしよろしければ、1度ご提案させて頂き、ご検討頂ければと存じます。
      とは言え当店以外にも多くの石材店様がありますので、色々と調査して頂き、1番良いと思うお店を選んで頂くのが良いのではないかと思います。

      お問い合わせ頂いた件につきまして、別途メールにてご回答差し上げます。
      どうぞよろしくお願いいたします。

      石安 高木

  4. 長尾茂穂 より:

    NHK-TVのイッピン番組で知りました。コーヒー豆を挽く石臼を見て欲しくなりました。販売に関しての販売方法、価格帯、配送方法その他の情報を教えて下さい。

    1. ishiyas より:

      長尾茂穂 様

      コメントありがとうございます。
      当店は、石臼についての知識があまり無いので、分かる範囲でお答えさせて頂きます。

      まず既製品の石臼であれば、インターネット販売されているようです。
      価格は5千円程度のものから、10万円近くするものもあるようです。

      使用する石材の種類や大きさによって違いが出ると思います。
      墓石に用いる石材であっても、日本の石は高価で、中国の石は安価という傾向があります。

      配送については、一般的な運送会社を利用して、運搬して頂ける場合があるようです。

      コメント頂きました「イッピン」を、残念ながら見ていませんでしたので、少し調べてみました。
      すると、庵治石で作ったコーヒー専用の石臼がありました。

      楽天のホームページで販売されているようです。(2017年6月4日現在)

      このような製品があったことは、知りませんでした。
      私も勉強になりました。

      そしてすごく品があり、とても良い感じだと思いました。
      私も欲しくなります。
      教えて頂き、ありがとうございます。

      石安 高木

  5. 有岡 光子 より:

    先祖墓10寸を希望しています。
    庵治石 200万円でも可能でしょうか?

    9寸
    8寸とか小さいものは、安いのでしょうか?

    来年の5月上旬までに墓を購入したいのですが。

    1. ishiyas より:

      有岡 光子 様

      石安の高木です。コメントを頂きありがとうございます。
      庵治石には、大きく分けて以下3種類の等級があります。
      ①細目
      ②中細目
      ③中目

      工事の場所や墓石本体の加工の複雑さにもよりますが、このうち③中目でしたら10寸墓の建立も可能だと思います。
      9寸、8寸とサイズが小さくなるにつれ、価格はお値打ちになります。
      ご検討頂けますと幸いです。よろしくお願いいたします。

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