神道のお墓を建てるには。お墓の形や彫刻文字について

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神道のお墓
神道(しんとう)のお墓を建てたいけど、お墓の形や彫刻文字、お墓を建てる場所をどうすれば良いのだろうと、お悩みの方へ。

これまでに当店のお客様にも、神道のお墓は仏教のお墓に比べて少ないため、誰に聞けば良いのか分からなかったと悩んでいた方がいらっしゃいました。

  • 神道では死を不浄と捉えるし、神社でお墓を見たことがない。
  • 仏教徒はお寺にお墓を建てることができるけど、神道の場合どこに建てれば良いんだろう?
  • お墓には、どんな文字を彫刻すれば良いんだろう?

など、様々なお悩みやご質問を頂きました。

神道ですと死を不浄と捉えるため、神社にお墓を建てることもできませんし、そもそもお墓を建てて良いのか?と悩んでしまうのではないかと思います。

そのため今回は、神道のお墓の概要についてご紹介させて頂きます。

神道のお墓でお悩みの方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。


神道(しんとう)とは

そもそも神道(しんとう)とは何かについて、簡単にご説明します。

神道(しんとう)は、仏教やキリスト教、イスラム教のように、数ある宗教の内のひとつです。

仏教の信仰対象は仏様、キリスト教の信仰対象はイエス・キリストです。

一方、神道の信仰対象は、天皇とその祖先の神様です。

祭祀を行う場所として、仏教には「寺」、キリスト教には「教会」があるように、神道には「神社」があります。

現在では、神道は「神仏習合」という言葉があるように、仏教と合わせて信仰されることがあります。


神道のお墓の形

お墓には、「和型」「洋型」「デザイン型」の3種類があります。
(詳しくは【お墓の形を決める上で重要な3つの事と代表的な3種類】をご覧ください)

「和型」をさらに分類すると、「仏式」と「神式」の2つに分かれます。

神道の方は「神式」のお墓を建てることが多いです。

「神式」のお墓の特徴

「仏式」と比較し、異なっている特徴を以下に述べます。

  • 一番上の石は縦に長い形
  • 一番上の石の頭はピラミッドのようにとがった形をしている(トキンと呼ぶ)
  • 八足台に見立てた形の石がある
  • 花立は、シンプルな角形が多い

神道のお墓

こちらは、ほんの一例です。

地域によってお墓の形は様々ですので、いつもお世話になっている神主様に確認していただくことをオススメします。


彫刻する文字について

正面文字

石碑正面の文字の例をいくつかご紹介します。

仏教のお墓では「南無阿弥陀仏」や「南無妙法蓮華経」、「○○家之墓」などが多いですが、神道では以下の通りです。

  • 「○○家奥都城(おくつき)」
  • 「○○家之奥都城」
  • 「○○家先祖代々霊位」
  • 「○○家之墓」

「奥都城」は「おくつき」と読みます。都を津として奥津城とする場合もあります。

「奥都城」は、「~のお墓」という意味を持っています。


霊号

「霊号」とは、仏教で言う「戒名」のことで、亡くなった方の死後の名称のことです。

生前の姓名の後に、

  • 「彦(ひこ)」
  • 「姫(ひめ)」
  • 「大人(うし)」
  • 「刀自(とじ)」

がつき、最後に

  • 「命(みこと)」
  • 「神(かみ)」

がつく場合が多いです。

男女の違いや、年齢の違い等によって、霊号が決まります。


霊号の例

霊号の一例をご紹介します。

男性:○○太郎大人命(○○たろう うしのみこと)

女性:○○花子刀自命(○○はなこ とじのみこと)


享年

「享年(享年)」とは、故人が亡くなられた時点での年齢のことです。

数え年を言う場合が多いですが、満年齢の場合もありますので確認が必要です。


帰幽日(命日)

「帰幽(きゆう)日」とは、故人が亡くなられた日のことです。命日とも言います。

神道では、人は現世(うつしよ)に生を受け、死して幽世(かくりよ)に帰ると考えられております。

そのため帰幽日は、幽世に帰る日という意味です。


霊標

「霊標(れいひょう)」とは、お墓の横に設置される、霊号を彫刻するための板石です。

仏教では、墓標(ぼひょう)や墓誌(ぼし)と呼ばれます。

詳しく知りたい方は、【墓標が欲しい方へ。墓標(墓碑・墓誌)の価格や用途について】をご覧ください。


墓地について

墓地の種類は大きく分けて「公営墓地」「民営墓地」「寺院墓地」の3つがあります。
(詳しくは【墓地(墓場、墓所)の選び方。墓地を決めるまでの7ステップ】をご覧ください。)

3種類のうち、「寺院墓地」の場合は他の墓地に比べ、建てることができない場合が多いので注意してください。
もちろん、建てることができるお寺様もあります。

まだ墓地をお持ちでない方は、まずは「公営墓地」や「民営墓地」から探すことをオススメします。

いずれにしても、墓地規約をしっかりと確認し、神道のお墓が建てられることを確認して下さい。


お墓参りの作法

神道の方のお墓参りの際には、水、洗米、塩、お神酒をお供え物として持参します。

お花につきましては、仏教のお墓の場合には仏花を供えますが、神道のお墓の場合には榊(さかき)をお供えします。

礼拝の際には、神道の葬儀と同様に「二礼 二拍手 一礼」します。

二拍手の際は、地域によっては音を立てない忍び手(しのびて)の場合や、普通に音を立てて拍手する場合があります。


おわりに

神道のお墓について、以下の4点をご紹介させて頂きました。

  • 神道のお墓の形
  • 彫刻する文字
  • 墓地の場所
  • お墓参りの作法

いかがでしたでしょうか。

神道のお墓は仏教のお墓に比べて少ないため、お墓のことを誰に聞けば良いか分からないとお悩みの方がいらっしゃいます。

そのような方にとって今回の記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。

ご不明な点や分からない事があれば、どうぞお気軽にお問合せ下さい。

  

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神道のお墓を建てるには。お墓の形や彫刻文字について” に対して3件のコメントがあります。

  1. 浪打 彬 ナミウチ アキラ より:

    墓石の「○○家之奥都城」の文字を白塗りにすることは、できることですか、してはいけないことですか?

    1. ishiyas より:

      浪打様
      コメントを頂きありがとうございます。
      当店のある地域では、白塗りは問題ないですが、お墓は地域ごとに風習が異なりますので、お近くの石材店様に伺って頂ければと存じます。ご返事が遅くなり申し訳ありませんでした。

  2. 岡林 由子 より:

    初めまして神道です。今回父が他界した為家の近くにある私有地に墓建立をし先祖墓(祖父・祖母、曽祖父・曽祖母)の墓を今ある場所から移したいと考えております。
    墓建立の許可も取り石材店にて墓を作成予定ですが
    この石材店が神道と最初からお伝えして設計して貰ったのですが出来上がりは仏式になっていたりと信用できません。私も初めて全く分からず困ってます。今回文字の最終確認という事で原稿が送られてきました。竿石には〇〇家奥都城と依頼。(最初は〇〇家の墓でした😭)霊票を依頼してますが石材店からは墓誌となっていて享年ではなく行年となってますがそれで良いのでしょうか? 墓誌で良いのでしょうか?行年でいいの?あと開眼法要もと言われてますが仏式ならわかるのですが…建立時に違う名前で魂入れ?とか何かするのでしょうか?

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